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デスボイス、シャウトの種類と間違い

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デスボイスには様々な種類があります

今回はそのデスボイスの種類とデスボイスの注意点について紹介します

 

記事の最後に基本的なデスボイスの練習方法を紹介した記事も貼っておきますのでチェックしてください

 

 

王道なデスボイスからマニアックなデスボイスまでご紹介して行きます

 

デスボイスの種類

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一言にデスボイスといっても様々な種類があり

 

デスボイスの定義というものはとても曖昧です

 

紹介している方によって分け方が変わってくるので自分の中である程度の線引きを作る程度でいいです

 

実はデスボイスって和製英語なので

日本でしか通じないです、注意してください

 

海外では「シャウト」や「スクリーム」

 

 フライスクリーム(Fry scream)

フライスクリームは声帯をしめつつ仮声帯の鳴りを利用した発声です

 

中音域、高音域で使われています

日本では主に「ONE OK ROCK」や「coldrain」などが使っている声です

 

普通の声よりも歪んだような声が特徴でラウドロック、ミクスチャーロックなどによく用いられる発声だと思います

 

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この動画の冒頭の声が非常にわかりやすいです

 

デスボイスの中ではかなりスタイリッシュで様々な場面で活躍してくれるデスボイスだと思います

 

デスボイス初心者の方はまずはこのフライスクリームの習得から始めることをおすすめします

 

記事の最後にフライスクリームの練習方法を紹介した記事があるので気になる方はチェックしてください

 

フォールスコードスクリーム(false chord scream)

フォールスコードスクリームはフライコードスクリームと違い、口や喉の空間を広くとり仮声帯の鳴りを含む低音域の要素が強めの歪んだ声が特徴です

 

王道なデスボイスの声だと思っていただければ大丈夫です

 

こちらは先ほどのフライスクリームとは逆で声帯を広げた状態での発声が基本です

低く唸るようなデスボオブデスボといったところでしょうか

 

このフォールスコードスクリームとフライスクリームの発声が手にはいれば、ある程度のデスボイスはコピーしやすくなると考えています

 

デスボイスの基本となる発声なのでデスボイスを出したい人は避けては通れない声ですね

 

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こちらの動画の声を参考にしてください 

 

 

日本と海外でデスボイスの括り方が変化することはよくあることなんですが「グロウル」と呼ばれるデスボイスとこの「フォールスコード」はほぼイコールだと僕は認識しています

 

ぶっちゃけ人によって感じ方や捉え方が変わるのでご自分の納得のいく呼び方で全然大丈夫です

 

こちらのフォールスコードの練習方法も最後に紹介する記事で説明してるのでチェックしてください

 

グロウル(Growl)

一応紹介しておきますが、先ほどのフォールスコードとかなりに似ています

人によって区別することもありますが僕はあまり細かく分けないですね

 

かなりニュアンスではあるんですが区別するのであればイメージとしてはフォールスコードよりも低い声という感じですね

 

低いうなり声という点と発声の基礎はフォールスコードと一緒です

 

フォールスコードスクリームの発声でさらに口をすぼめて、息を気持ち多めにすると近づいてくると思います

 

ガテラルボイス(guttural voice)

時に「下水道ボイス」などと呼ばれるとても低いデスボイスです

 

フォールスコードやグロウルよりも圧倒的に低い帯域の声になります

 

こちらの声はかなりマニアックな声であり、さらに習得の難易度が高いです

声が低くなるにつれて音の波形は波を打つ感覚が広がって行きます

 

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こちらの動画の最初に出てくる声がガテラル

 

ポイントをあげると

 

声は低くなるにつれてボリュームが下がっていきます

低い声でさらにボリュームを出すためには「口腔倍音」を安定させる必要があります

 

声の要素が減ってしまうので倍音でボリュームを補っていくということです

正直この倍音の感覚が体についていないと再現は難しいです

 

口腔倍音を簡単に説明するとアコースティックギターのようなものです

 

アコギはボディの中が空洞になっているために生音でエレキでは出せない豊かな鳴りを実現しています

 

口の中にしっかりと空間を作り、サウンドホールとなる口先の開閉幅を調整して試行錯誤して行きましょう

 

スクリーチ(Screech)

こちらは先ほどのフライスクリームの一種と考えてください

 

フライスクリームよりも高い声で「ギャー!」と叫ぶように発声されることがほとんどです

 

フライスクリームの超高音域バージョンですね

 

最近だとfear,and loathing in las vegasで高いシャウトの際に使われています

 

フライスクリームよりさらに強めの声帯閉鎖感に加えて喉を痛めないようになるべくリラックスする必要あります

 

まずはフライスクリームを習得すること

その後に声帯閉鎖を調整していくという練習が一番いいです

 

ピッグスクイール(pig squeal)

こちらは直訳すると「豚の悲鳴」です 

もう名前からやばいですねw

 

豚の鳴き声のように甲高く、声というよりも鳴き声のような音色が特徴

 

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こちらの動画が非常にわかりやすいので参考にしてください

 

声の性質としてはボーカルフライを取り込んだ裏声を力強く出すというイメージです

 

こちらは「声帯閉鎖」と「裏声」

この二つの技術の練度が高くないと簡単に喉を壊してしまいます

 

ピッグスクイールを習得したい方は声帯閉鎖によるボーカルフライの練習が必須です

 

イメージと自分の声帯のコントロールの差異を少なくしていくことがデスボイス習得への一番の近道です

 

デスボイスの間違いと注意点

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まずデスボイスというものは少なからず喉にダメージを与える声です

そのダメージをどれだけ少なくできるかが非常に大事になってきます

 

これからデスボイスを習得したい方に知ってもらいたいデスボイスの間違いと注意点をご紹介します

 

誤った認識のままだと危ないよ

 

「吸気」と「呼気」のデスボイス

もしデスボイスについて軽く調べた方ならわかると思いますが

デスボイスには「吸気」と「呼気」の2つの出し方があります

 

息を吐きながら鳴らすデスボと吸いながら鳴らすデスボです

あくまでアプローチの仕方が違うだけでどちらもデスボイスです

 

ただ僕としては「吸気」のデスボイスはお勧めしません

 

理由を簡単にまとめると

  • 喉を痛めやすい
  • 出しやすいがクオリティに限界がある
  • コントロールがしづらい
  • ステージパフォーマンスに影響

こちらの4点です

 

そもそも話してる時に息吸いながら話す人っていないじゃないですか

もうこれが全てですねw

 

息を吸い続けるのは喉の乾燥を促してしまうので喉が傷つきやすいです

そのため喉を壊しやすくなってしまいます

 

クオリティに関しては

コントロールが難しいこと吸うことによる発声に限界がある

という理由です

 

ステージパフォーマンスへの影響とは運動に対する体の動きです

体を動かす有酸素運動の際、僕らは息を吐きながら体を動かします

 

その際に息を吸うというのは本来の動きに反するものなので

パフォーマンスは必然的に落ちてしまいます

 

以上が僕が「吸気」によるデスボをお勧めしない理由です

 

あくまで僕の見解ですので最終的にはご自分の好きな形でデスボイスを楽しんでください

 

デスボイスの練習時間

これからデスボイスを練習するというあなた!

初めてデスボイスを練習するなら

 

まず「一日10分」から始めてください

 

普段出さない声を出すというのは喉や筋肉が慣れない動きをするわけです

 

喉の違和感に気付いた時にはもうボロボロ

 

なんてことにならないように初めは無理しないでください

 

まとめ 

今回ご紹介したことを簡単にまとめると

  • デスボイスにはいろんな種類がある
  • 自分の出したいデスボイスを見つけよう
  • 声帯閉鎖によるボーカルフライを習得しよう
  • 「吸気」によるデスボはお勧めしません
  • 無理せず慎重にトレーニングしよう 

 

まだまだ発声の理論が確立されてるものではありません

だからこそ誤った練習は避け、無理せずゆっくり始めましょう

 

↓冒頭で説明にあったデスボの練習記事はこちら↓

www.bunbun-core.com

 

参考にしていただければ幸いです

 

他にもボイストレーニングについての記事がございます

メニューの「ボイトレとデスボイス」からチェックしてください